【最新ニュース】複雑な相続手続きが「一括化」へ。大手金融7社による新サービス始動

j-suzuki

相続が発生した際、多くの方が直面するのが「金融機関ごとの煩雑な手続き」です。 亡くなった方の通帳を探し、各銀行や証券会社に連絡し、同じような書類を何度も提出する……。こうした負担を劇的に軽減する可能性のある、大きな動きがありました。

今回は、2026年現在進められている「金融機関を横断した相続手続きの一括化」について、弁護士の視点から解説します。


1. 相続手続きの「窓口」が一つになる?

これまでは、たとえ同じグループ内であっても、銀行と証券会社で別々に手続きが必要なケースが一般的でした。しかし、最新の報道によると、SMBC日興証券、野村ホールディングス、三菱UFJ信託銀行など、大手銀行・証券7社が連携し、相続手続きを共通化する新会社を設立する方針です。

この仕組みが実現すると、相続人は以下のようなメリットを享受できると期待されています。

  • 「隠れた口座」の発見 1社に照会をかけるだけで、参加している金融機関の中に故人の口座があるかどうかを確認できるようになります。
  • 書類提出のワンストップ化 戸籍謄本や印鑑証明書などの必要書類をウェブ上で一度アップロードすれば、連携する各社への提出が完了します。
  • 遠方からの手続きが容易に デジタル化が進むことで、窓口へ足を運ぶ負担が大幅に軽減されます。

2. いつから利用できるのか?

このサービスは現在準備段階にあります。計画では、2027年夏に一部地域で試験導入され、2028年秋に全国展開を目指すとされています。

現時点では「全ての金融機関」が対象ではありませんが、今後参加する機関が増えることで、日本の相続実務のスタンダードになる可能性があります。

3. 法的観点からの注意点

利便性が向上する一方で、相続手続きの本質的な難しさがなくなるわけではありません。以下の点には引き続き注意が必要です。

  • 「負の遺産」の把握 このシステムは主に預貯金や有価証券を対象としています。借金や保証債務などの「負の遺産」については、引き続き慎重な調査が必要です。
  • 遺産分割協議の重要性 書類提出がスムーズになっても、「誰が何を継ぐか」を決める遺産分割協議がまとまらなければ手続きは進みません。親族間での合意形成は、これまで通り重要です。
  • デジタル格差への対応 オンライン申請が主軸となるため、スマートフォンの操作や書類のスキャンなどに不慣れな方は、引き続き専門家のサポートが必要になる場面も予想されます。

まとめ:これからの相続に備えて

少子高齢化に伴い、相続される資産(有価証券や預貯金)の額は年々増加しています。国税庁の統計でも、その規模は10年前の約1.8倍に達しており、手続きの効率化は社会全体の課題といえます。

今回の新サービスが稼働すれば、事務的な負担は軽くなりますが、「どのように遺産を分けるのが最適か」「税務上の不利益はないか」といった判断には、依然として法律や税務の専門知識が欠かせません。

当事務所では、最新のシステム導入状況も踏まえ、皆様にとって最も負担の少ない相続の進め方をご提案しております。手続きにお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。


【ご注意】 本記事の内容は、現在報道されている計画段階の情報に基づいています。サービスの提供時期や具体的な仕様については、今後変更される可能性があることにご留意ください。

About
鈴木 淳也
鈴木 淳也
弁護士
記事URLをコピーしました