暗号資産(仮想通貨)の相続対策|家族が困る「3つの落とし穴」と弁護士が教える解決策

y-akamatsu

近年、相続実務の現場で急増しているのが、ビットコインなどの「デジタル遺産」をめぐるトラブルです。 暗号資産は従来の預貯金とは性質が大きく異なるため、適切な対策をしておかないと、せっかくの資産が「誰にも引き出せないまま消失する」という最悪の事態を招きかねません。

本記事では、暗号資産の相続における落とし穴と、今すぐ実践すべき実務的な対策を解説します。

1. 暗号資産相続に潜む「3つの落とし穴」

暗号資産の相続において、特に問題となるのは以下の3点です。

  • 所在の不明: 家族が取引所の存在を知らなければ、相続財産から漏れてしまいます。
  • アクセスの拒絶: スマホのロックや2段階認証が壁となり、遺族がログインできないケースが多発しています。
  • 秘密鍵の紛失: 個人ウォレットで管理している場合、「秘密鍵」や「リカバリーフレーズ」を失うと、たとえ弁護士や裁判所であっても資産を復元することはほぼ不可能で、事実上の資産消失となります。

2. 法律・税務面での注意点

法律上、暗号資産は「相続財産」に含まれます。しかし、金融機関のような「名寄せ」の仕組みがないため、相続人が自力ですべての口座を特定するのは極めて困難です。

また、暗号資産は「相続税」の課税対象です。相続発生時の時価で評価されますが、価格変動が激しいため、納税資金の確保に苦慮するケースも少なくありません。

3. 弁護士が推奨する「3つの実務対策」

トラブルを未然に防ぎ、スムーズな承継を行うためには、以下の対策が不可欠です。

  1. 保有サービス(取引所)の一覧化 利用している国内・海外の取引所、ハードウェアウォレットの有無をリスト化しましょう。
  2. アクセス情報の整理と安全な保管 IDやパスワード、秘密鍵の情報を紙に控えるか、信頼できる管理ツールにまとめ、家族が「いざという時に見つけられる場所」に保管します。
  3. 遺言書への具体的な明記 遺言書には単に「資産すべて」と書くのではなく、「〇〇(取引所名)の暗号資産(ビットコイン等)は、長男に相続させる」といった形で具体的に記載します。これにより、遺産分割協議での混乱を防げます。

About
赤松 陽太郎
赤松 陽太郎
弁護士
記事URLをコピーしました